応用情報技術者試験 最新問題のテクノロジ系をまったり解く 問11~問15【令和元年度秋試験】
R01 応用情報技術者試験 秋期試験に挑戦 問11~問15
前回に引き続き、プログラム作りたい欲が高いけど。
解いていきます。今回は問11~問15です。
令和元年度秋期 応用情報技術者試験 問11~問15 解説
問11(テクノロジ系:コンピュータ構成要素:入出力デバイス)
ア | DVIと同じサイズのコネクタで接続する | |
---|---|---|
イ | アナログ映像信号も伝送できる | |
ウ | 映像と音声をパケット化して、シリアル伝送できる。 | |
エ | 著作権保護の機能を持たない。 |
問11 解答
入出力デバイスに関してDisplayPortの知識に関する問題です。
映像の出力デバイスとディスプレイを接続する規格(インターフェース)は、おおきく分けてデジタルのものとアナログのもの2種類に分かれます。
アナログ入出力 | |
---|---|
デジタル入出力 | D-Sub |
D-sub
CRTモニタなど、入力がアナログなデバイスがメインだった時代はD-Subという企画が使われていました。
(現在でも結構残ってます。)これらは、アナログの信号で映像を送信する規格でした。
そこから、様々な機器の規格やデータ、その伝送法がデジタル化されました。
ディスプレイもいわゆる液晶モニタの台頭により、デジタル化が進み、ゲーム機や家庭用のテレビやオーディオ機器に至るまでデジタル信号を扱うようになりました。
DVI
そんなアナログらかデジタルの移行期の中で、アナログとデジタル両方の信号をカバーしていた粋な奴がDVIって規格です。
DVIはさらに、以下のように3種類あります
DVI-I | 23ピンのDVI-Iシングルリンク、と29ピンのDVD-Iデュアルリンクがある |
---|---|
DVI-A | 17ピンでアナログ信号のみに対応、DVI-Dとの互換性はない |
DVI-D | 18ピンのDVI-Dシングルリンクと24ピンのDVI-Dデュアルリンクの2種類があり、 デジタル信号のみに対応。DVD-Aとの互換性はない |
です。見た目は以下のような形状をしています。(これは今時の人でも見たことある人多いんじゃないかな?)
です。一時期は主流だったのですが、端子自体がでかいこともありちょっと評判は良くなかったです。
また、上で書いたように、何種類かに分かれていて、微妙に穴とピンの配置が違っていました。
なんかささんないなって思ったら、右側のピンの形が違っていたりとかよくありました。
それで、HDMIとDisplayPortでやっと完全にデジタルの規格になりました。
HDMI(High-Definition Multimedia Interface)
HDMIはデジタル信号を非圧縮で送受信するための規格です。高解像度でオーディオも一本のケーブルで扱えます。
また、著作権保護の機能があるのも今までの規格と違うところです
DisplayPort
VESA (Video Electronics Standards Association)によって策定された、デジタルディスプレイのための信号伝送規格です。HDMIやDVIでは想定していなかった超高解像度での利用を視野に入れており、特定のビジネス用途(医療分野やCAD等)では、ほかには選択肢がない状態(8K=07680 x 4320に対応)。信号は、必要なデータをパケット化して伝送するという特徴がある。著作権保護の機能はHDCPに対応しており、HDCPを利用した映像信号と音声信号の伝送が可能。また、デイジーチェーンと呼ばれる、数珠つなぎに対応機器を接続する接続法に対応している。
ということで選択肢を見ていきます。
ア | DVIと同じサイズのコネクタで接続する |
---|
同じサイズではないですね。
イ | アナログ映像信号も伝送できる |
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完全デジタル化された企画ですので違います。
ウ | 映像と音声をパケット化して、シリアル伝送できる。 |
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上の説明から、信号をパケット化して伝送するという特徴が説明されていたので、正解は「ウ」です。
エ | 著作権保護の機能を持たない。 |
---|
DisplayPortは、HDCPに対応しています。
問12(テクノロジ系:コンピュータ構成要素:メモリ)
SDメモリカードの上位規格の一つであるSDXCの特徴として、適切なものはどれか。
ア | GPS、カメラ、無線LANアダプタなどの周辺機能をハードウェアとしてカードに搭載している。 |
---|---|
イ | SDメモリカードの4分の1以下の小型サイズで、最大32Gバイトの容量を持つ |
ウ | 著作権保護技術としてAACSを採用し、従来のSDメモリカードよりもセキュリティが強化された。 |
エ | ファイルシステムにexFATを採用し、最大2Tバイトの容量に対応できる。 |
問12 解答
応用情報技術者試験のシラバスによると、コンピュータ構成要素のメモリに関する知識、
(1)メモリの種類と特徴
半導体の記憶回路,磁気記憶,光記憶を用いたメモリなどの種類があること,半導体メモリ(IC メモリ)の種類,特徴(揮発性,不揮発性,アクセス速度,容量,コスト,物理サイズなど),代表的な用途,システム設計におけるメモリの選択の考え方を理解する。
用語例 RAM,ROM,DRAM,SRAM,リフレッシュ,マスク ROM,PROM(Programmable ReadOnly Memory ), EPROM ( Erasable Programmable Read Only Memory ), EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory),フラッシュメモリ(NAND,NOR),SDRAM,DDR SDRAM,DDR2 SDRAM,DDR3 SDRAM,DDR4 SDRAM
に関する知識を問う問題です。このシラバスに出てくるメモリの種類と特徴ぐらいは覚えていて損はないと思います。
メモリの種類や特徴に関する問題も基本情報、応用情報で結構な頻度で見る問題です。
今回はSDXC規格についてです。
SDXCはSDHCの容量不足を解決するために、登場した規格です。形状などの規格はSDHCと同様で、通常のものとMicroSDXCが存在します。違いは、ファイルシステムにexFatというFat32の拡張規格を使い2Tまでの容量に対応しているところです。
正解はわかってしまいましたが、選択肢を見てみます。
ア | GPS、カメラ、無線LANアダプタなどの周辺機能をハードウェアとしてカードに搭載している。 |
---|
SDIO(Secure Digital Input/Output)という規格の説明です。
www.weblio.jp
イ | SDメモリカードの4分の1以下の小型サイズで、最大32Gバイトの容量を持つ |
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microSDカードの説明です。
www.weblio.jp
ウ | 著作権保護技術としてAACSを採用し、従来のSDメモリカードよりもセキュリティが強化された。 |
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SD規格の親玉SDアソシエーションのWebには全く記述がなくCPRMの記述のみのようですが、ほかのサイトなどで確認すると、CPRMを拡張し(互換性はない)たCPXMという著作権保護の技術を使っているようです。
デジタルコンテンツ保護のために - SD Association
エ | ファイルシステムにexFATを採用し、最大2Tバイトの容量に対応できる。 |
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「エ」が正解です。
現在では、さらに上位のSDUCという規格も登場して、最大容量が128Tまでになっています。
SD、SDHC、SDXC、SDUCのデータ容量帯について - SD Association
問13(テクノロジ系:システム構成要素:システムの評価指標(キャパシティプランニング))
システムの性能を向上させるための方法として、スケールアウトが適しているシステムはどれか。
ア | 一連の大きな処理を一括して実行しなければならないので、並列処理が困難な処理が中心のシステム |
---|---|
イ | 参照系のトランザクションが多いので、複数のサーバーで分散処理を行っているシステム |
ウ | データを追加するトランザクションが多いので、データの整合性を取るためのオーバヘッドを小さくしなければならないシステム |
エ | 同一のマスタデータベースがシステム内に複数配置されているので、マスタを更新する際にはデータベース間で整合性を保持しなければならないシステム |
問8 解答
シラバスではシステム構成要素のシステムの評価指標のところで用語が出てきます。
② キャパシティプランニング
キャパシティプランニングの目的,考え方,システムに求められる処理の種類,量,処理時間などを検討し,性能要件からサーバやストレージなどの性能諸元を見積り,システムの性能を継続的に把握,評価するという手順を理解する。
用語例 負荷,サイジング,スケールアウト,スケールアップ,容量・能力管理,システムパラメータ,プロビジョニング
システム性能を上げるための手法として、スケールアップとスケールアウトがあります。
スケールアウトは、サーバーの数を増やすことで性能を上げる方法です。
スケールアップは、サーバーのCPUやメモリーといったハードウエアを高性能なものにして処理性能を上げる方法。
Webサーバーなどは、同じサービスをサーバ台数を増やすことでカバーできるので、スケールアウトが適しています。
また、DBサーバーなどは、分散したサーバーで処理を継続させると処理の同期が複雑な処理になってしまうため、スケールアップが適しているとされます。
が、最近は仮想化によって、その差がなくなっている部分もありますが、Webサーバなどのような独立した同じサービスを分散させサービス数を増やすことで性能を向上できる場合はスケールアウトで、同期処理や整合性が必要なシステムではスケールアップで性能を上げるのが良いようです。
同期処理や整合性の観点に注目して、選択肢を見てみると。
ア | 一連の大きな処理を一括して実行しなければならないので、並列処理が困難な処理が中心のシステム |
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並列処理が困難=動機や整合性の高さが要求されるってことで×
イ | 参照系のトランザクションが多いので、複数のサーバーで分散処理を行っているシステム |
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分散処理が可能なので正解か?
ウ | データを追加するトランザクションが多いので、データの整合性を取るためのオーバヘッドを小さくしなければならないシステム |
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整合性を取るために。。。×ですね。
エ | 同一のマスタデータベースがシステム内に複数配置されているので、マスタを更新する際にはデータベース間で整合性を保持しなければならないシステム |
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整合性を保持。。。×ですね。
ということで、正解は「イ」です。
問14 (テクノロジ系:システム構成要素:システムの評価指標(キャパシティプランニング))
キャパシティプランニングの目的の一つに関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
ア | 応答時間に最も影響があるボトルネックだけに着目して、適切な変更を行うことによって、そのボトルネックの影響を低減又は排除することである。 |
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イ | システムの現在の応答時間を調査し、長期的に監視することによって、将来を含めて応答時間を維持することである。 |
ウ | ソフトウェアとハードウェアをチューニングして、現状の処理能力を最大限に引き出して、スループットを向上させることである。 |
エ | パフォーマンスの問題はリソースの過剰使用によって発生するので、特定のリソースの有効利用を向上させることである。 |
問9 解答
キャパシティプランニングとは、新規のシステム開発や既存システムの改修などの際に行なう作業で、システムのサービスレベル要求やサービス需要などから、システムのリソースや性能などを見積もり、最適なシステムの開発・増強の計画を作成することである。
システムに求められるキャパシティ要件として、ビジネスレベル(データ処理需要、同時利用ユーザー数、同時セッション数など)、サービスレベル(トランザクション量、ネットワークトラフィック量、応答時間など)、リソースレベル(CPU利用率、ディスク利用率、ネットワーク利用率など)を検討し見積もりをする。この際、現状の最大負荷だけでなく、将来予測される最大負荷時にもサービスの水準を維持できるような設計を検討する必要がある。
キャパシティプランニング | システム開発 | IT用語辞典 | 日立ソリューションズ
より引用。
キャパシティプランニングの実際の実施手順はいろんなところに書いてありますが、以下のような手順が一般的です。
- 現行システムの分析、現在の処理能力の把握
- 将来的な拡大計画、それに伴う、利用者数の増加などを分析
- 現システム能力の限界時期を予測
- 新システム構成で実現すべき性能要件から、必要なハードウェア増設を導き検討
これらを総合して考えると、
イ | システムの現在の応答時間を調査し、長期的に監視することによって、将来を含めて応答時間を維持することである。 |
---|
が最もふさわしそうなので正解となります。
問15 (テクノロジ系:システム構成要素:システムの評価指標(システムの性能特性と評価 ))
1件のデータを処理する際に、読み取りには40ミリ秒、CPU 処理には30ミリ秒、書き込みには50ミリ秒かかるプログラムがある。このプログラムで、n件目の書き込みと並行してn+1件目のCPU処理とn+2件目の読み取りを実行すると、1分当たりの最大データ処理件数は幾つか。ここでOS のオーバーヘッドは考慮しないものとする。
ア | 500 | イ | 666 |
---|---|---|---|
ウ | 750 | エ | 1,200 |
問5 解答
並列処理の処理過程についての問題です。
プログラムの各処理にかかる時間は以下の通りです。
読み取り(R) | 40ms |
---|---|
CPU(C) | 30ms |
書き込み(W) | 50ms |
これを並列で処理するために、
n件目の書き込み時に、n+1件目の読み取り、n+2件目のCPU処理を同時に行います。
W(n)、R(n+1)、C(n+2)が同時に行われるということですね。
ここで、この中で一番処理時間が長いのは書き込み処理ですので、結局書き込み処理が1分間で何回行われるか、というだけの問題になってしまします。
一応図で書いてみます。
図で書くとあからさまですね。
よって、
60(s)÷50(ms)×10^-3=1200(回)
で「エ」が正解です。